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ナチュラルターンの1歩目とは? ~CBMは右?左? |
作成日:2012/12/22、最終改訂日:2013/03/11 |
§歩-11:CBMでの「支え足」は、左足?右足?
今回は、簡単なようで難しい、「頭の体操」です。
モダン・ボールルーム・ダンシング(ビクター・シルベスター著/神本誠・久子訳)という本があります。 この本には、、各ステップの文字による説明だけでなく、「足形図」が書かれていますので、とてもわかりやすく出来ています。。
今回は、その中の「ナチュラルスピンターンのページ(103ページ)」を流用して、頭の体操をしてみましょう。
「頭の体操」・・・・・問題です。
「上級テクニック(ビギナー向けではありません)」という表記が、関心を誘います。
問
題 |
ナチュラルスピンターン男性のCBMは、「1、4、5歩目」と書いてあります。
では、下の図(本に書かれている図)を使って
CBMの 1歩目、4歩目、5歩目における「支え足」を、塗りつぶしてください!
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青:左足、赤:右足で表記
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重
要
な
ポ
イ
ン
ト
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CBMとは・・・(ボールルームダンステクニックより)
ボディアクションのことです。
通常回転を始めるために前方又は後方に動く足の方向に、
反対側の(支え足側)のボディが起こす回転動作のことです。
昔の表現では・・・
ボディ・アクションである。
前方または後方に動いている足の方向に、体の反対側が回転する事。通常、回転を起こすとき。
となっています。
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簡単ですね!・・・と言いたいところだけど、この問題、そんな簡単じゃない
この問題には、意外な落とし穴があります。
この問題を提示すれば、プロ・アマ問わず、2つの答えが出てきて、意見が分かれるはずです。
もしかしたら、チャンピオンクラスのトッププロでも、意見が真っ二つに分かれるかもしれません。
それは、重要なポイントを押さえておく必要があるからです。
キーワードは 「支え足側のボディ」です。
人間の足は2本ですから、「支え足」は、「前方、または後方に動く足」とは反対の足を指します。
なので、「CBM:1,4,5歩目」においては、それぞれ
「前方に動く足」が左足ならば、「支え足」は右足になり、右のボディが回転を起こす。
「前方に動く足」が右足ならば、「支え足」は左足になり、左のボディが回転を起こす。
・・・・ということになります。
なので、1歩目のCBMのとき、回転動作を起こすのは、左のボディですか? 右のボディですか?
普段、みなさんは、どちらのボディで回転を起こしていますか??
これを考えていけば、CBMの「支え足」が、左右どちらかが判明します。
それを足形図に当てはめればOKです。
結果から言えば、CBMにおける「支え足」について、下のように、【回答例:A】と【回答例:B】の2通りの回答が出てくるはずです。 じゃぁ、正しいのは、どちらでしょうか??
自分の踊りを振り返ってみたときに、どっちの考え方が、しっくり来るでしょうか?
おそらく、どちらかになっているかと思います。
●回答例〔A〕
「CBM:1,4、5歩目」と書かれたいる場合、
支え足は それぞれ、1,4,5歩目の足に該当する
足形図でいえば、〔1〕〔4〕〔5〕と書かれた足が、CBMでの支え足である
・・・という回答 |
青:左足、赤:右足で表記 |
「CBM:1,4,5」と書いてあるならば、素直に、足形図の1,4,5がCBMの支え足に該当するとして、そのまま、足形図1、4,5の足を塗りつぶせば、それでOKという考え方。
【CBM:1】=足形図〔1〕が支え足
回転を始めるため、前方に動く左足の方向に、支え足(右足)側のボディが起こす回転動作。
【CBM:4】=足形図〔4〕が支え足
回転を始めるため、後方〜前方に動く右足の方向に、支え足(左足)側のボディが起こす回転動作。
【CBM:5】=足形図〔5〕が支え足
回転を始めるため、前方に動く左足の方向に、支え足(右足)側のボディが起こす回転動作。
基本的に、1,4,5歩目(足形図1,4,5に該当)の足が地面に着地してから(支え足になってから)、ボディが支え足の上を通過するまでに、支え足側(足形図1,4,5側)のボディが回転を起こす。
ボディが回転を起こすと同時に、「動く足」が前方(または後方)に動き、スムーズに支え足の横を通過させることができます。
・・・・という考え方。
この回答は、きわめてシンプルで単純明快なのですが、日本の社交ダンス界では、この考え方は否定される(徹底的に、考え方そのものが粉砕される)ことが多いのが実情でしょう。
当「みらくるダンス実験室」は、こちらの考え方を推奨しています。
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●回答例〔B〕
「CBM:1,4、5歩目」と書かれたいる場合、
支え足は、それぞれ、数字を1つ引いて 0(1-1),3(4-1),4(5-1)歩目の足になる。
足形図でいえば、〔0〕〔3〕〔4〕と書かれた足が、CBMでの支え足である
・・・という回答 |
青:左足、赤:右足で表記 |
「素直に足形図の1,4,5を選ぶ人は、ダンスを知らないど素人である」という考え方。
「ダンスを知っている人ならば、一つ手前の足を塗り潰すが常識だろう!」という考え方。
【CBM:1】=足形図〔0〕が支え足
回転を始めるため、前方に動く右足の方向に、支え足(左足)側のボディが起こす回転動作。
【CBM:4】=足形図〔3〕が支え足
回転を始めるため、後方に動く左足の方向に、支え足(右足)側のボディが起こす回転動作。
【CBM:5】=足形図〔4〕が支え足
回転を始めるため、前方に動く右足の方向に、支え足(左足)側のボディが起こす回転動作。
基本的に、両足を揃えたところから動きをスタートさせた場合、「CBM」で指定した足の1歩手前の足(CBM:1、4,5ならば、足形図の数字を全部
マイナス1 して、足形図の0、3,4歩目)を支え足と考える。
前方または後方へ「動く足」と同時に、(1歩手前の)支え足側のボディを動かすことにより、バランスを崩さずにボディの移動が可能になる。
CBMで指定された1,4,5歩目の1歩手前から、事前に回転動作を加えておくことにより、1,4,5歩目で回転動作を加えなくても、ボディが回転しながら、足形図1、4、5歩目の上を、スムーズに通過できるようになります。
・・・・という考え方。
日本の社交ダンス界では、この考え方が一般的。
というより、日本国内においては、こちらの考え方が、「圧倒的な支持」を得ているようです。 |
●いったい、どっちが正しいのか?
両方の説ともに、「正しい」と主張するだけの、根拠があるはずです。
それは、動き」に対する考え方の、根本的な違いです。
基本の基本。つまり、動きに対する「根本的な違い」があれば、そこから派生する考え方は、180度、正反対な結果になって当然です。
単純明快に言えば、正しい「答えは2つある」・・・ということでしょうか。
●「普通の人(一般の人)は、これだけ知っていれば十分・・・かも
上の足形図および、上の点線の枠内の表記は、あくまで「上級テクニック」だと書いてあります。
普通の人(一般の人)は、CBMなどという、難しいことを考えずとも、これだけで十分であり、考えなくてもよい。。。とも言えます。
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たとえば、〔1〕右足前進 と書いてあれば、右足を地面から持ち上げて、持ち上げた足を、前方に前に進める。 そうすると、両足が開いて、右足が前方に着地する。
右足が着地したら、そこで〔1〕が終わりかと言えば、そうじゃない。
多くの人は、右足の上に体重が乗っているタイミングも、〔1〕に含まれると考えるハズ。
フットワーク(ヒール/H、トォ/T)や、CBM、スウェイなどをなどを気にせずとも、上の表に従って踊れば、自然にある程度の踊りが出来てくるので、m普通の人(一般の人)は、難しいことを考えなくても大丈夫・・・・ということなのでしょう。
上級者になると、「CBM:1、4,5」とか、難しい用語が出てくるので、それに伴い
「CBMの1、4,5歩目」の支え足というのが、「1,4,5歩目」なのか「0,3,4歩目」なのか」という、ある意味、不毛な議論になったりします。
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実際に、社交ダンスの上級者のダンス理論ってのは、訳がわからんケースが多々あります。
ダンス用語は複雑怪奇。 、「超!ウルトラ・スーパー・複雑怪奇な、異次元の世界」
にも掛からず、誰も、疑問を持たないんだろう? みんな、本当に。わかっているのだろうか?
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《 自分と違う考えを排除すれば、すべてが解決する? 》
当「みらくるダンス実験室」では、日本の社交ダンスの指導方法に対して、否定的な考え方を持っています。、
「先生と違う考え方」を持つ人間、「先生と違う体の動き」をする人間は、全面的に否定され、その周辺(あるは地域全体)から徹底的に排除されてしまうからです。
一般的なスポーツでは、どのようなカラダの使い方をしたとしても、結果が出ればOKです。
いかなるカラダの使い方をしたとしても、他人よりも速く走ればOK、遠くへボールを投げたり蹴ったり出来ればOKです。
カラダの内部の動きなんてのは、他人には、わかりません。
ところが、男女がペアで踊る、社交ダンスは違います。
先生とカラダの動きが違っていれば、絶対に上達しません。
先生が、「人間のカラダの動きには、複数の動き方がある」ことを知らなかったとしたら、どうなるでしょうか。
先生と違う体の動きをする生徒がいたとしても、
「この生徒は、カラダを動かすことすら知らない、かわいそうな生徒だな!」で、終わってしまいます。
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