みらくる・らぼ

〔§座〕
「背筋を伸ばせ!」
  と言うけれど・・・
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躾(しつけ)に潜む、
  大きな危険
「背筋が曲がらない姿勢」
  を作る!
骨盤の天辺(腸骨陵)と
  前かど(上前腸骨棘)
右手は拳(陽/太陽)、
  左手は掌(陰/月)
ニー・アップ!
~「膝を持ち上げろ」
  という指導
骨盤が「立つ」
 骨盤が「丸くなる」
 ~背骨と太腿の角度
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「背筋を伸ばせ!」と言うけれど~文明のイタズラ 作成日:2014/09/30、最終改訂日:2014/09/30

§座-52:骨盤が「立つ」・骨盤が「丸くなる」

骨盤の前傾/後傾(骨盤が起きているか、後ろに寝ているか)を考える時には、背骨と太腿(ふともも/大腿骨)との角度を、チェックしておく必要がありそうです。

「座った姿勢から、立ち上がり、歩き出す」ときの、「背骨と太腿の角度」の変化を考えてみましょう。

・椅子に腰掛けた姿勢(または、踵を持ち上げて膝を着けた跪坐)
  ↓↓
・地面に垂直に立っている姿勢
  ↓↓
・片方の足を、前に出して、前に出した足が着地する直前の姿勢


■ 太腿(ふともも)を手で押しさげれば、立ち上がることが出来る!

背骨(腰椎)を地面と垂直に維持(キープ)した場合の、太腿と背骨の角度の変化をチェックしてみます。
腕の筋肉の変化により、「上半身は、常に地面に垂直にできる」とします。


椅子に腰掛けたときの、背骨と太腿の角度は、約90度(ほぼ直角)
 (跪坐のときの、背骨を太腿の角度は、約120度)

太腿の上に置いている両手の掌(てのひら)で、太腿を押すことにより、立ち上がる 事ができます。 太腿を押し下げることで、背骨と太腿の角度は、大きくなります。

立ち上がった時の、背骨と太腿の角度は、約180度(ぼほ一直線)

さらにここから、支え足の太腿を押し下げれば、歩き出す(足を開く)ことができます。
両足を60度の角度に開いたとすれば、背骨と(支え足の)太腿の角度は210度。

つまり、
  「座った姿勢(90度)から、立ち上がって(180度)、歩き出す(210度)
という動きをするときには、腕(てのひら)を使って、
  「太腿(大腿骨)を、どんどん後ろに押し下げてやればいい
ということになります。

問答無用! 単純明快!!


■座り方が変われば、立ち方も変わる。骨盤の動きは「大きく変化」する!

では、椅子に腰掛けて、「背筋を伸ばした姿勢」から立ち上がってみましょう。
背筋を伸ばした座り方は、【椅-12】と【椅-17】の二通りがあります。

【椅-12】から立ち上がる時と、【椅-17】から立ち上がる時の違いを比較してみましょう。


右側の【椅-17】のように、「太腿を押し下げて背筋を伸ばしている」場合には、
そのまま太腿を強く押せば、簡単に立ち上がる事ができます。
そして、左右どちらかの足の太腿を押し続ければ、反対側の足が前に出てきます。

「両腕の中指」を「向かい合わせ」にすると、簡単に立ち上がる事ができますが、
「中指」を膝の方に向ける(中指を太腿と平行にする)と、立つことが出来なくなります。 つまり、この姿勢では「腕の筋肉の使い方」が、重要な意味を持ちます。


では、日常的に、左側の【椅-12】のように「太腿を持ち上げて、腰の骨を前方に突き出して、背筋を伸ばしている人」は、どうやって立ち上がるのでしょうか?

単純に太腿を持ち上げても、足の裏が浮き上がるだけで、立つことは出来ません。
そこで、膝(ひざ)を積極的に、かつ意識的に、どんどん曲げていきます。
そうすると、腰の骨がどんどん前に出るのと同時に、太腿が持ち上がります。
お尻が、椅子の上を滑りながら、お尻が踵の上まで移動していきます。
足首が深く曲がった時点で、、太腿を引っ張り上げれば、立ち上がる事ができます。

【椅-12】の座り方をする人が、太腿を下に下げるようとすれば、【椅-13】のように、背中が丸くなって立ち上がる事ができなくなります。


このように、普段の座り方が、異なれば、立ち方も異なってきます。
立っている姿勢から歩き出す時の骨盤の動きも、変わってきます。


■ スポーツの常識はどっち? (一般的な)ダンスの常識はどっち?


  誰にでもできる 運動律エクササイズ 45ページ
 第2章 運動律とは?運動律が崩れると何が起こるのか?
  2−2 運動律と運動律群
   運動律群のシンクロが崩れるとき、不随意運動の崩壊するとき
    −● 各部位の運動律のシンクロ。骨盤と脚部について ●−
  <前略>

 脚部の運動律に戻ります。
ダンスの基本運動である、上体を適切な姿に保ち、かつ脚部の短縮運動すなわち、膝を曲げる(屈曲)、その反対の不随意運動、股関節と足首の関節の曲がり(屈曲・足背屈)が、その人の運動律に適合して行われたとします。

この本の著者(古瀬精一氏)の考え方で興味深いのは、
  ダンスの基本運動は、膝を曲げること(膝の屈曲)である
としている点です。

つまり、古瀬氏は、ダンス(dance)つまり、「曲の合わせて踊る動き」の原点は、
  音楽のリズムに合わせて、膝を曲げたり伸ばしたりすること
としています。

「ダンスを教える」ということは「リズムに合わせた膝の屈曲を教える」こと。

意識して、膝を屈曲させれば(随意運動)、膝の屈曲に連動して、股関節と足首が屈曲する(不随意運動)。この動きを、リズムに合わせて行うのが、ダンスである。


ちょっと待ってください!!!!!
本当に、そうなのでしょうか???????
本当に、それが、ダンスなのでしょうか??????

あり得ない! 辞めてくれ! そう、叫びたくなってきます。
そんなものがダンス(踊りの基本)だというのなら、わたしは、とっくにダンス(踊ること)を辞めています(キッパリ!)




  誰にでもできる 運動律エクササイズ 45ページ
 第2章 運動律とは?運動律が崩れると何が起こるのか?
  2−2 運動律と運動律群
   運動律群のシンクロが崩れるとき、不随意運動の崩壊するとき
    −● 各部位の運動律のシンクロ。骨盤と脚部について ●−
  <続き>
【骨盤の運動律とは】

 さらに、膝を屈曲すると、骨盤はどのように動くのでしょうか?
通常であれば、股関節を足関節の屈曲も進み、骨盤は「立って」きます。
ここでいう「立つ」は前述のとおり、前方に傾き、大腿骨と骨盤前面に角度がつくことを意味します。
「腰を入れる」とか「股関節を腰に収める」と同じ意味です。
スポーツ界ではこのように描写していいますので、本書では以後、このように言葉を使います。

ダンスの基本運動(つまり、ダンスの原点)が、古瀬精一氏の言うように、「膝の屈曲」であるならば、この説明は、的確に的を得ていることになります。

音楽のリズムに合わせて、膝を屈曲させると、骨盤が「立つ」動きになります。
その結果、股関節がボディの中に入り込みます。
 (股関節が、お腹の中にのめり込むような感じ)
リズムに合わせて、膝を屈曲させることで、「腰を入れる」「股関節を腰に収める」。

リズムとリズムの谷間で、屈曲させていた膝を伸ばして(伸展)やると、腰の中に収まっていた股関節が前方に動き、同時に腰椎(腰の背骨)も、勢いよく前方に飛び出して行きます。
結果、ボディが前方に動き、(支え足と反対の)足が前方に進んで行きます。


古瀬氏の説明は、「日本の社交ダンスの模範解答」だと言っても、過言ではないと思います。実際、日本のトッププロを含めて、日本の社交ダンスでは、このような指導を行ってるはずです。


でも、ちょっと待ってください!!
ダンスの根本的な部分で、考えてみましょう!

ダンスの基本運動が、古瀬氏のいうような「膝の屈曲」でなく、
  腕(手)や頸(くび/ネック)上半身によって、太腿を押し下げる動き
だったとすると、どうでしょうか?

そうすると、この「膝の屈曲」を原点とした説明では、最初に紹介した
  太腿(ふともも)を手で(後ろに)押し下げれば、立ち上がることが出来る!
という動きこそが、ダンスの基本動作(原点)になってきます。

「太腿を後ろに押し下げる動き」においては、古瀬氏の言うような「骨盤が立つ/丸くなる」という区分は存在しません。
【椅-17】の座り方の存在そのものが、すでに、古瀬氏の想定外だからです。



■ リズムに合わせて、膝を曲げて、階段を上がってみよう!!

「ダンス」における、ひとりひとりの「太腿の使い方・膝の使い方」を検証してみる方法として、
  「音楽のリズムに合わせて階段を上がる」
というのは、とてもわかりやすいと思います。

「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」という号令に合わせて、楽しく、階段を上がっていくのも良いかもしれません。


まずは、古瀬氏の以下の説明の続き。

  誰にでもできる 運動律エクササイズ 45ページ
 第2章 運動律とは?運動律が崩れると何が起こるのか?
  2−2 運動律と運動律群
   運動律群のシンクロが崩れるとき、不随意運動の崩壊するとき
    −● 各部位の運動律のシンクロ。骨盤と脚部について ●−
  <続き>

【「脚」の運動律と「骨盤の運動律」のシンクロ(同期)】

 膝の「屈曲」が進むにつれて、足関節の足背屈も進み、かつ股関節の屈曲も進みます。
そして骨盤が「立つ」の動作は、本人の意思とは無関係に動きますから、これは不随意運動です。

この「骨盤が立つ」という動作が、「脚の運動律」にシンクロ(同期)して作動し、「骨盤の運動律」を作っているのです。
これを私は、「脚の運動律」と「骨盤の運動律」とのシンクロ(同期)と呼んでいます。

これを、「リズムに合わせて階段を上る動き」に応用すると、こんな感じのフットワークになると思います。


【段-91】のように、階段に深く足を掛けます。(足全体を階段に掛ける)
そして、後ろ足の踵を持ちあげて、体重を前足に移していきます。

基本はリズム(号令)に合わせて、【段-92】のように、膝を深く曲げること。
膝を深く曲げると、結果的に、足首が深く曲がり、腰の骨がが前方に飛び出してきて、骨盤が「立つ」。 この反発力によって、ボディが進んで行く。

たぶん、この説明でよいと思います。


■ リズムに合わせて、太腿を押し下げながら、階段を上がってみよう!!

今度は、リズムに合わせて「太腿を後ろに押し下げる」動きで、階段を上ってみましょう。


階段に、足の爪先を引っかけて、腕の筋肉の変化、あるいは上半身の筋肉の変化によって、太腿が後ろに下がれば、(不随意運動として)踵の踏み込みが発生します。
これによって、ボディはどんどん、斜め前方へ上がっていきます。

この階段の上り方においては、、「骨盤が立つ」「骨盤が丸くなる」という概念は、存在しません。
なぜなら、一番「骨盤が立っている」のは【段-01】であり、踵を踏みつければ踏みつけるほど、「骨盤が丸くなる」ことになってしまいます。

古瀬氏の説明では、階段が上れないのです。


【段-98】〜【段-99】のように、膝の屈曲を使って、太腿を持ち上げながら、階段を上る場合、体重は、支え足の真上に、乗り込もうとします。

逆に、【段-08】〜【段-09】のように、太腿を後ろに押し下げながら階段を上る場合、体重は支え足のボールよりも後ろになります。
男女がペアで踊る社交ダンス(スタンダード種目)において、この違いが「踊り方の根本的な違い」として現れてくるはずです。



《 ”ダンス音痴は”何故起こる? 》

運動律エクササイズの裏カバーに書いてる「ダンス音痴」について、考えてみましょう。

人間は誰でも、リズムに合わせてボディを動かそうとする習性を持っています。

音楽に合わせて手拍子。 これを、楽しくやってみましょう。
「楽しい手拍子」を繰り返している内に、手拍子に合わせて、太腿が動くと思います。

ひとりは、
 手拍子に合わせて膝を曲げて、太腿は持ち上げます。
もうひとりは、
 手拍子に合わせてボディを動かし、太腿を押し下げます。
ふたりとも、「リズムに合わせた手拍子」としては正解です。

じゃぁ、この手拍子のリズム合わせて、ふたりに
  「膝を曲げて、太腿を持ち上げて骨盤を立たせろ!」
という「ダンスの指導」を行ったとします。

どうなりますか?? 結果は、誰でも想像できるはず。

ひとりは、古瀬氏の「ダンスの指導」を完璧にこなし、
もうひとりは、ボディの動きに干渉し、パニックに陥ります。

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