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みるく・ごっく~り ~左重心での社交ダンス |
作成日:2011/05/12、最終改訂日:2011/05/17 |
§み-13:前腕のねじれ〜肘と手首を逆回転
日本の社交ダンスの常識というか、標準では、(肘-31)では、「肘の内側」と「手首」を同時に回転させるように教えているはずです
そうすると、男女ともに、左肘の内側(肘窩)は、下を向こうとします。
当「みらくるダンス実験室」では、(肘-32)のように「肘の内側」と「手首」に逆回転させるのを推奨します。 「みるく・ごっく〜り」はこれが基本です。
そうすると、男女ともに、左肘の内側(肘窩)は、上を向こうとします。
左肘(左肘の内側)を外旋、左手首を内旋させて、前腕(二の腕)を捻る。
・・・ということについて、詳しく説明してみたいと思います。
−*−
「みらくるダンス実験室」で推奨している、通称「みるく・ごっく〜り」は、下の(乳-21)のように、左腕で牛乳を飲むときのポーズが基本になっています。
どうやったら、左手で、牛乳を飲むことが出来るのか?
まず、左手の手首を持ち上げることで、牛乳瓶を高く持ち上げます。
そして、「左手首」を右に回転させる(左手首に内旋)ことによって、牛乳瓶の口が下を向くように(牛乳瓶の底が持ち上がるように)、牛乳瓶を傾けていきます。
当たり前といえば、当たり前の話なのですが、牛乳を飲もうとして・・・・
左手首を持ち上げて、左手首に右回転(内旋)を掛けた時、
左の肘(左の肘の内側)は、どうなっているか??
という点です。
実際、
左手首と一緒に、左腕の肘(肘の内側)も回転するのか??
それとも、左手首は回転するけれど、肘の内側は回転しないのか??
やってみればわかりますが、左腕の「肘(肘の内側)」は回転しません。
左手首だけが右に回転します(左手首だけの内旋、左肘はむしろ外旋する)。
誰がやっても、無意識にそうなります。
その際、結果的に、左肘と左手首に「前腕(二の腕)のねじれ」が生まれます。
これが「左腕で牛乳を飲むとき」の基本姿勢、「みるく・ごっく〜り」の基礎になります。
もし、左手首と左肘を同時に右回転させて、牛乳を飲もうとすれば(やってみれば、わかりますが)、な背か、左肘が吊り上がる不自然な格好になってしまいます。
左手首と左腕を同時に右回転させて、牛乳を飲もうとすると、「左手首より高い位置まで、左腕が持ち上げられた、不思議な姿勢」になります。
「みるく・ごっく〜り」、つまり、「左腕で牛乳を飲むポーズ」の姿勢をベースにした(背中や腕の筋肉の緊張具合を維持したままの)社交ダンスのホールドを組むときにも、「左手首は右回転・左肘は回転させない・手首と肘との逆回転で、前腕の捻れを作る」のが基本になります。
ちなみに、この「左手前腕に捻れを作ったときの影響」は、男性(乳-22)よりも、女性(乳-23)のほうが大きく現れます。
−*−
ところで、左手首を内旋させたとき(右に回転させた時)、左腕の肘が「内旋」するか? 「外旋」するか?
この違いは、左手の指の「力の入れ具合」に、大きく影響してきます。
(肘-51)=(肘-52)のように、「左手の中指と薬指の間に力を入れる」と、左手首と左肘が連動して、内旋(右回転)しやすくなります。 前腕は捻れません。
そうすると、「肘の内側」が下を向きます。
(肘-55)=(肘-56)のように、「左手の中指と人差指の間に力を入れる」と、左手首だけが内旋して、左肘は内旋しなくなります。 結果、前腕は捻れます。
そうすると、「肘の内側」が上を向きます。
肘を内旋させた時と、外旋させた時との踊りの違いは、(男性よりも)女性の方が、大きく、そして明確に現れてきます。
女性はハイヒールを履いていて、しかも、左足の上に頭(ネック)を置き、しかも左手の肘や、手首が自由に使える状態にあるということなどのが、理由です。
一番、違いが出やすいのは、「女性がピクチャーポーズ」を取ったときや、素早い回転動作を行ったときなどに、違いが現れやすいです。
男性の左腕は、肘を鋭角に折り曲げてしまえば、「左肘:内旋、左手首:内旋、捻れ:なし」になってしまいますので、そうすると指の力加減が、どこにあろうと、踊りに変化がでません。
男性が、「みるく・ごっく〜り」つまり、「肘:外旋、左手首:内旋、捻れ:あり」の状態をキープし続けようとすれば、(肘-55)のように、左手の中指と人差し指の間に、力を入れておく必要があります。
−*−
ところで、「中指と薬指の間に力を入れる」か、「中指と人差し指の間に力を入れるか?」なんてことは、無意識にやるのは難しいです。
無意識に、指と指の間に力を加えるための、「簡単な方法」があります。
下の写真のような「外反母趾対策パッド」を、左手の「指と指の間に挟む」という方法です。
この製品、本来ならば足に挟む製品ですが、足に挟むよりも、左手の指に挟んだ方が、よっぽど、おもしろいです。
(肘-51)のように、パッドを「中指と薬指」の間に挟めば、中指と薬指の間に力が入ります。 そうすると。肘と手首が一緒に内旋します。
(肘-55)のように、バッドを「中指と人差指」の間に挟めば、中指と人差し指の間に力が入ります。 そうすると、肘は内旋せず、手首だけが内旋します。
別の使い方もできます。
自分は、普段、無意識に踊っているときに、どちらの指に力が入っているだろう?
どのタイミングで、どの指に力が入っているだろう?
パットを挟むと、指と指の間に、「強く力が入るタイミング」を確認することが出来ます。
中指と薬指の間に挟んだパッドに強い力が掛かれば、そのタイミングで、「左肘に強い内旋」が掛かっていることになります。
中指と人差し指の間に挟んだパッドに強い力が掛かれば、そのタイミングで、「左肘に強い外旋」が掛かっていることになります。
左肘に内旋が掛かれば(日本の社交ダンスの標準)、腰椎(こしの骨)が動いて、重心感覚が「腰」に来ます。
左肘に外旋が掛かれば(みるく・ごっく〜り)、胸椎(むねの骨)が動いて、重心感覚が「胸」に来ます。
じゃあ、自分の踊りは、どのタイミングで、どの指に力が掛かっているのか?
どのタイミングで、どの指に力を掛けると、スムーズに踊れるのか?
パッドを挟む位置に寄って、大きく影響してきます。
ちなみに、この、「パッドを手に挟む方法」は、ダンスだけでなく、「ハイヒールを履いて歩く時」や、陸上競技で「走るとき」にも、有効なハズです。
パッドを挟む位置に寄って、カラダの動きが変わってきます。
試していませんが、陸上競技だと、微妙にタイムが変わってくると思われます。
ハイヒールを履いた場合、左手の中指と人差指の間に挟んで歩くと、カラダが軽くなり、中指と薬指の間に挟んで歩くと、カラダが重くなるようです。
「左手の中指と人差指の間に挟んで歩く」のは、まさしく「みるく・ごっく〜り」スタイルですね。
−*−
と・こ・ろ・で......
この「左肘を内旋させる」か「左肘を外旋させるか」の違い。
日本の社交ダンス界では、どのように扱われているのでしょうか?
「ダンステクニック革命」では、「手首は肘と連動して動くため・・・」と書かれています。 すべては、これで終わりです。
これは、「手首と肘を逆方向に回転させて、前腕にねじれを作る」ということは、まったくの「想定外」になっています。
つまり、このページで、詳しく説明している、
「左手の指に、パッドを挟むことによって、踊りが大きく変化しますよ!」
ということが、まったく想定されていません。
「左手首が内旋ならば、左肘も内旋しますよ!」 というのが、日本の社交ダンスのトッププロの基本的な考え方になるようです。
左肘を外旋させたまま、左手首を内旋させる、「左手で牛乳を飲むポーズ」なんてのは、日本の社交ダンス界では「存在しないポーズ」なっているわけです。
次のページに続けます。
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《 先生がいないと・・・ 》
社交ダンスを「習う」には、ダンスを教える「先生」が必要です。
ところで、先生が「手首と肘は連動して動くモノ」という固定概念を持ち、なんの疑問も抱かなかったとしたら、どうなるでしょうか?
習う生徒の多くは、先生と同じように、「手首と肘は連動して動くモノ」という固定概念を持って、それを前提としたダンスを
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