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「腕を固定する」ということの意味 |
作成日:2011/09/07、最終改訂日:2012/02/27 |
§腕-11:両腕を固定して踊るメリット
社交ダンス(スタンダード種目)は、なぜ、両肘を持ち上げて踊るのか?
社交ダンス(スタンダード種目)は、なぜ、両腕を固定して踊るのか?
リード&フォローの問題や、男女が離れずに踊るため・・・なども理由もあると思います。
だけど、もっともっと「根底」の部分に、その理由があるとしたら、どうでしょうか?
両肘を持ち上げて、両腕を固定した方が....
・足を大きく開くことができるので、大きく踊ることが出来、
・体重移動がスムーズになるので、足への負担が大幅に軽減し、
・リラックスして踊ることが出来、
・音楽に乗って楽しく踊ることが出来、
・相手のボディを利用して、自分が動くことが出来、
・バランス感覚に優れ、
・カラダの「捻れ」が止まり、姿勢が崩れにくくなり、
・お腹が出なくなり、下を向くことも無くなり、
・踊れば踊るほど、カラダ全体のストレッチになり、
・自分のボディが「羽毛布団」のように、軽くなる。
・そして、なにより、「相手に対して、優しく接することができる!」
・・・・としたら、どうでしょうか?
「両肘を持ち上げて、両腕を固定する」ことによるデメリットよりも、享受されるメリットの方が、圧倒的に大きいならば、ほとんどの人は「両肘を持ち上げて、両腕を固定する」方法を選択するはずです。
もっとも、これがすべて該当するかどうかは、疑問ですが。。。。
(もしかしたら、全部、「該当しない」項目かも・・・・)
−*−
さて、ここで、面白い実験をしてみましょう。
これは、ルンバ(ラテン種目)の定番「オープンヒップツイスト」の女性の右回転(に似たような踊り)です。
(試-11)から(試-12)への右90度回転です。
あえて、ラテン種目の基礎を捨て去って、「左手のフリーアームの動き」と、「左右の股関節を後ろに引いて回転する」意識だけで動いてみます。
(左の骨盤を、勢い付けて、前に突きだしながら、惰力で回転するのはNG)
これと同じことを、腕に、買い物かごを「ぶら下げて」やってみましょう。
頭の中でのイメージ(直感的な、脳内ダンス)では、(試-15)(試-16)のどちらがスムーズに回転できそうに「感じる」でしょうか? おそらく(試-15)の方が回転しやすいような感覚になるはです。
でも実際は、逆です。
ほとんど動かない「右腕」に買い物かごをぶら下げると、回転出来ない。
フリーアームの動きを止めるように、「左腕」に買い物かごをぶら下げると、安定した回転が出来ます。
買い物かごに衝撃を与えずに、「買い物かごを、優しく動かす」だけで、カラダ全体が安定したスムーズな回転を行うことができます。
左腕のフリーアームを上手に使ったとき以上の、効果があるはずです。
普段、上手に回転出来ない人でも、左腕に買い物かごをぶら下げるだけで、スムーズが出来るようになります。 まったく不思議な話ですが・・・・・・。
これが、出来たら、逆回転(左足を軸とした左90度回転)も試して見て下さい。
こちらは、スリースリーズの女性の180度回転の応用になります。
左回転も右回転も、「左腕に買い物かご」の時には、カラダが安定します。
表にまとめると、こんな感じになります。
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左手のフリーアーム
を活用した踊り |
右腕に買い物かご
(フリーアーム有効) |
左腕に買い物かご
(フリーアーム無効) |
右90度回転
(右足が軸足) |
フリーアームを
上手に使うと、
綺麗に回転できる |
極めて不安定
な回転
(軸がぶれる) |
静かで安定した
余裕のある回転
が出来る |
左90度回転
(左足が軸足) |
フリーアームを
上手に使うと
綺麗に回転できる |
ほとんど、
回転不可能
(まわれない) |
静かで安定、余裕
があり、ぶれの無い
回転ができる |
この実験は、「人間のカラダは、左と右で、大きく動きが異なる」という特徴を、上手に利用した実験です。
なぜ、「左腕に買い物かごをぶら下げると、安定した踊りになるのか?」は、ここでは説明しませんが、実際にやってみると、安定した踊りになります。
「人間のカラダの左と右の違い」と、「腕を固定した動き」を、連携させると、「いままで気がつかなかったカラダの動き」が、いろんなところに生まれてきます。
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