みらくる・らぼ

〔§座〕
「背筋を伸ばせ!」
  と言うけれど・・・
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躾(しつけ)に潜む、
  大きな危険
「背筋が曲がらない姿勢」
  を作る!
骨盤の天辺(腸骨陵)と
  前かど(上前腸骨棘)
右手は拳(陽/太陽)、
  左手は掌(陰/月)
ニー・アップ!
~「膝を持ち上げろ」
  という指導
骨盤が「立つ」
 骨盤が「丸くなる」
 ~背骨と太腿の角度
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  を作る!
骨盤の天辺(腸骨陵)と
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右手は拳(陽/太陽)、
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「背筋を伸ばせ!」と言うけれど~文明のイタズラ 作成日:2013/11/10、最終改訂日:2014/10/15

§座-22:右手は拳(陽/太陽)、左手は掌(陰/月)〜太極拳での左と右

社交ダンスとは、まったく関係なさそうなのが、太極拳。

社交ダンスと太極拳の両方をやっている人もいるけれど、両者の基礎に関係があるのかないのか、なかなか教えて貰う機会は「無い!」

本を読んでいると、「本来、右と左では性質が異なる」と書いてあった。

  
誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」

・著 者:真北斐図(まきた あやと)
・発売日:2011年08月
・出版社:BABジャパン
・ページ数:203ページ
・価 格:1575円(1500円+消費税)

(Amazon)(楽天ブックス)
 内容紹介(「BOOK」データーベースより)

太極拳って武術なんですか? それとも健康法? どうして健康にいいの? ゆっくりな動きで戦えるの?
“今さら聞けない素朴な疑問”から、“誰も教えてくれない秘密”まで。
「なぜ」が分かるほど、上手くなる。強くなる。健康になる。


  誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」 68ページ
第4の「?」 左右対称でないのはなぜか? 
 
Question 質問

 白鶴亮翅や手揮琵琶は、なぜ片方だけしかないのですか?
 左右対称でないのはなぜですか?

Answer 答え

 太極拳の動作は、左右対称の理解ではわかりません。
 本来 右と左は性質が異なるのです。



太極拳の最初の勢が「気勢(きせい)」、次の勢が「野馬分?(のまぶんぞう)」。

三番目の動作(第三勢)が、「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」。
四番目の動作(第四勢)が、「手揮琵琶(しゅきびわ)」

両方とも、
 「右足に重心を掛けて立つ」動作はあるけど、逆の「左足に立つ」動作はありません
・・・・とのことです。
人間のカラダが左右対称に出来ていれば、両方あっても良さそうなものです。


■ 左足と右足は違う?


フルートを吹くときは、左の脇を締め、右の脇は開いている。
第四勢の手揮琵琶も、左の脇を締め、右の脇は開く点が似ている?

自転車のハンドルを両手で持って、じっと立っているときには、
  「自転車の左側に立ち、右足で立っていた方が楽」だと感じる人が多い?

自転車に乗るとき(片足を、後ろから持ち上げて、サドルを跨ぐとき)
  「左足で体重を支えて、右足を持ち上げて、サドルを跨ぐ」人が多い?

左と右の違いについて、いくつかの例が紹介されています。
試してみると面白いです。 そのとおりになっているでしょうか?

ここまでの例では、多くの人は、「あっ、ほんとうだ!」と感じるように思います。


じゃぁ、下の文章も、同様に、「あっ。ほんとうだ!」と感じるかどうか?

  誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」 80〜81ページ
  第4の「?」 左右対称でないのはなぜか?
    9.太極拳の知恵
  <前略>
 私たちが歩くとき、左右の足を均等に使って歩いて行きます。

 しかし、「武術的」な動作は、必ずまず右足で地面を蹴ることから始まります。
そして、左足はその動きを受けて「止める」ようにして働きます。

止めると力は、上昇していきます。
その力は右腕に達することになります。

そう、地面をしっかり踏ん張って強い「勁力」を生み出しているのです。
武術では、「右左」「左右」と左右の脚を用いることで、「勁力」という筋肉に頼らない武術的な力を生み出しているのです。

というのは、とても、興味深いです。

右足で地面を蹴って、ボディを動かす。
 (右足で立っているときには、左手を押し出す方向に使う)
そして、
左足でボディの動きを止める。
 (左足で立っているときには、右手を手前に引く方向に使う)
という動きは、わかりやすいです。

確かに、そう感じるひとは少なくないと思います。
でも、これとは逆に、

左足で地面を蹴って、ボディを動かし、
左ボディに勢いをつけながら、右足の真上に、ズシッ!と体重を乗せ、
右足の上をボディが通過させる。

・・・・というような、動き方も存在するはずです。。
(「日本の社交ダンス」でいうなら、明らかに、こっちの方が主流ですね。)

なので、太極拳でいう「武術的」な動作は、「多くの人に理解される」動作なのか?
というと、かなり怪しいのではないかと思います。

「右足で地面を蹴る人」と「左足を軽く出してから、左足で地面を蹴る人」の両方がいるはずだから・・・・。

いったい、なにが違うのでしょうか?

追い詰めていくと、「骨盤の使い方」あるいは「座ったときの姿勢の正し方」が影響しているように思います。
話を進めましょう。


■右手と左手、「拳」と「掌」を逆にすると・・・・

  誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」 75ページ
  第4の「?」 左右対称でないのはなぜか?
    7.右手は陽で 左手は陰
 
 それは、中国式のあいさつのことです。
太極拳の表演者がステージで客席に向かって挨拶するとき,左手の掌に右手の拳をつけて、礼をします。中国の伝統的な挨拶です。

 その右手の拳は「陽(太陽)」を、左手の掌は「陰(月)」を表しています。

 体の右と左では、役割が違うのです。表面の見た目では左右対称でも、人体の深いところで観察すると、それはシンメトリーではなく、ほぼ例外なく共通した「左右の違い」があるのです。

(中略) 下に続けます

人間のカラダに、陽(太陽)とか陰(月)とか、「根拠の無い言葉」を当てはめるのは、もしかしたら「中国らしさ」なのかもしれない。
如何にも「怪しい」。 如何にも「信じがたい」。 だけど、その奥に何かがある。

陽(太陽)とか陰(月)とか、そんな言葉を使って、「何か」を伝えようとしているのかもしれませんね。

わざわざ、そんな言葉を使うまでもなく、実際、「拳(こぶし)」と「掌(てのひら)」の関係は、とても「奥深い」意味があります。



  誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」 68ページ
  第4の「?」 左右対称でないのはなぜか?
     7.右手は陽で 左手は陰
  《前略》続き・・・・

 その左右の役割の違いは、古来からの「戦い方」の違いにも色濃く影響を与えてます。

 右手は「攻撃」、剣や矛を持つ手です。左手は「防御」、盾を持つ手です。この事例は世界中の様々な地域で見ることができます。

盾は左手に持って初めて役に立ちます。右手に盾は持てません。なぜなら、右手には、左手に比べ支える力がないからです。これは右手になにか重いものを持って、実際に試してみれば実感できるはずです。

《中略》

運動が盛んなのが「陽」の右手、それを抑え込んだり、バランスを取るのが「陰」の左手なのです。

 武術とは左右の違いを理解して行う身体操法なのです。

最後の1行が印象的ですね。

これが、本当かどうか、確かめるには、「左右」の手を逆にしてみればわかります。

 《中国式の挨拶に準拠》 左手は掌(てのひら)、右手は拳(こぶし)
 《その逆をやってみる》  左手は拳(こぶし)、右手は掌(てのひら)

両方をやって、違いの有無を比較してみると、太極拳でいう「左右の違い」の根拠が
 「理論的に筋が通っている、正しく、合理的なカラダの使い方」
からくるものなのか、
 「誰かが適当にこじつけた、うさんくさい、合理性に乏しい体の使い方」
からくるものなのかが、わかるはずです。


■ 左右の拳(こぶし)と掌(てのひら)を変えて、背筋を伸ばして座ってみる。


このセクションでは、「椅子に腰掛けて、背筋を伸ばす」方法には、2種類存在することを紹介しています。

では、背中を丸くして座ったところ【椅-11】から、
  片手で拳(こぶし)を作り、もう片方の手の掌(てのひら)に力を掛けてみましょう。
どうなるか?

左手が拳でも、右手が拳でも、背筋が伸びます!!!!


まずは、太極拳の本に書いてあった方法。

右手で拳(こぶし)を作り、左手の掌(てのひら)に強く押し当てみましょう。
攻撃側の右手の拳を、左手の掌で受け止めるイメージです。

この場合、【衡-71】のように、骨盤が後傾し(うしろに倒れ)、左骨盤のASIS(骨盤の前角)が、真上にきます。
左の骨盤を左手で掴んで、後ろに回転させた時と、同じ姿勢になります。

【衡-71】から、右手の拳(こぶし)の力を抜いても、背中は丸くなりません。
右手の拳の力を抜くと、骨盤全体が前傾して、腰椎(こしの背骨)が前に出てくるので、全身の緊張感が抜けて、姿勢は低くなりますが、背骨は丸くなりません。



では、こんどは、「太極拳の本」とは、逆をやってみると、どうなるか?

左手で拳(こぶし)を作り、右手の掌(てのひら)に強く押し当てると、【衡-42】のように、腰椎(腰の骨)が、どんどん前に出てきて、骨盤(主に右の骨盤)が前傾していきます。
骨盤が前傾するので、背筋は伸びていきます。

左手の拳の力を抜くと、【衡-41】のように、背中が丸くなります。



背筋を伸ばす2つの方法を、よく観察してみると、

*左の骨盤を左手で掴んで、後ろに回転させる(後傾させる)方法
   (左のASISを後ろに倒し、ASISを真上に持ってくる)
*右の骨盤を右手で掴んで、前に回転させる(前傾させる)方法
   (右の腸骨陵を前に起こし、腸骨陵を真上に持ってくる)

の2つがあり、前者の姿勢は「右手:拳/左手:掌」、後者の姿勢は「左手:拳/右手:掌」を意識することで、どちらの姿勢も作れそうです。


《 「右手は拳・左手は掌」の習慣を付けると・・・ 》

両手の拳/掌を変えると、(椅子に座るときの)座り方が変わるのであれば、「理想を思える方の座り方」をするためには、掌の意識を変えればよいことになります。

太極拳の表演者のような挨拶をしている人は、自然に左骨盤を後傾させる座り方になると思います。

逆に、子供の頃からの躾(しつけ)で、腰椎(こしの背骨)を、前方に突き出して姿勢を正すように、教えられている子供は、「左手に拳を作り、右手の掌で、左手の拳を包む」ような手の使い方をするように思いますが、どうでしょうか?

武道やスポーツにおいて、どちらが、優れているか?
どちらが、実力を発揮できるか? ・・・・ですよね。

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