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左重心と右重心 ~こんなに違うカラダの動き |
作成日:2010/10/12、最終改訂日:2011/08/26 |
§棒-09:「棒」を背中に挿して、腕を伸ばす
人間のカラダは、「棒」を背中に挿した時に、面白い動きをする。
棒をズボンの中に突っ込んで歩くだけで、背中が伸びる。
そして、カラダの捻れ(ねじれ)が無くなる。
まるで、「棒」が「カラダの芯」になったような感覚。
まったく不思議な現象だったりする。
今回は、棒を背中に挿して、腕を「限界まで前方に伸ばす」と、どうなるか?という実験です。
今回の実験も、簡単です。
(1)前方にペットボトルを置き、両足を揃えて立ちます。【芯-70)
(2)両足を揃えたまま、腰や背中を曲げずに、ペットボトルを掴みます。
(4)ペットボトルを掴んだときの、股関節・踵の動きを確認します。
これだけです。
まず、ハイヒール(踵の高い靴)を想定して、踵に「分厚い本」を敷いて立った状態で実験します。
左腕を伸ばしたとき【芯-71)は、ペットボトルを掴むことができます。
ところが、右腕を伸ばしたとき【芯-81)は、ペットボトルを掴むことができません。
左腕・右腕どちらの腕を伸ばしたときでも、左右の股関節は後ろに下がろうとします。
では、「左の股関節」と「右の股関節」では、どちらが「後ろに下がろうとする力」が強いのか??
どちらの腕を伸ばしたときでも、「右の股関節が、より強い力で、後ろに下がろうとする」。 そうすると、左股関節よりも右股関節の方が後ろに位置することになります。
結果的に、「左腕は前方に伸ばせるけど、右腕はあまり前方に伸ばせない」ということになります。
−*−
次は、素足での実験と、爪先を持ち上げた(爪先側に分厚い本を置いた)時の実験です。 結果を左右で比較してみてください。
まずは、左腕でペットボトルを掴むとき
今度は右腕で、ペットボトルを掴むとき
左右を比較してみると、面白いことが解ります。
右腕を伸ばして、ペットボトルを取ることができるのは、「踵を持ち上げた時」だけであり、「踵を地面につけたとき」には、ペットボトルを取ることが出来ない。
・・・ということは、前方にあるものを取ろうとするときには、直感的に「踵を持ち上げて、爪先で立とう!」動きになりやすいんじゃないか?
ちなみに、「踵を持ち上げて爪先で立つ」ときの動きは、左右対称である。
それに対して、左腕を伸ばしてペットボトルを取るときはどうか?
右腕と同じように、「踵を持ち上げて爪先で立つ」ときにも、ペットボトルを取ることができる。
だけど、「踵を地面に付けて、踵で地面を押さえる」ときにも、ペットボトルを取ることが出来る。 左腕を伸ばすときには、むしろ「踵を地面に付けた時」のほうがカラダが安定する。
これは、どういうことなのか?
「踵を地面に付けて、踵で地面を踏みつける」という感覚が、左と右で全く異なる。
「踵と爪先の役割」も、左と右で全く異なる
・・・・ということになりそうです。
■ 棒を使わずに、やってみましょう!
「棒」が「カラダの芯」の役割を果たしていたことを、実感するためにも、今度は「棒を使わず」に、似たようなことをやってみましょう。
「背中を丸くする」ことは想定せず、「背中を伸ばした状態」。
「膝を伸ばす」ことだけでなく、「膝を曲げた時」も検証してみます。
まずは、爪先で立った場合。(爪先にウエイトを置いた場合)
「爪先だけで立った場合」には、左腕を伸ばしても、右腕を伸ばしても、膝を伸ばしても、膝を曲げても、ほとんど同じ結果になります。
「両足の爪先の上に、真っ直ぐ垂直に立っている」状態になるので、腕を伸ばそうとするとバランスを崩してしまいます。 結果として、あまり腕を伸ばすことができません。
今度は、踵で地面を押さえながら、左腕を伸ばしていくケース。
【芯-21)のように、ヒールのある靴を履き、両足の膝を伸ばした姿勢で左腕をどんどん前に伸ばすと、それに連動して、左(腕と同じ側)の股関節・左の骨盤・左の腰が、どんどん前に出て行きます。
背中に棒がない分、上半身の動きが柔らかくなり(捻れが生じる?)、左腕を伸ばせば伸ばすほど、左ボディ全体が前に出て、右ボディ全体がどんどん後ろに下がることで、結果的に、左腕を、おもいっきり前方に伸ばすことが出来ます。
安定感、抜群であり、自然な動きになります。
この【芯-21)が、左腕を伸ばすときの基本だと考えるのが良さそうです。
【芯-22)は、右股関節が後ろに下がろうとする力が拡大されるで、カラダ(上半身)は、思いっきり右に捻れる。
【芯-23)【芯-24)では、左股関節が前に出ようとする動きが、妨げられるため、左腕を前に出すのが、難しくなってきます。
じゃぁ、右腕を前に伸ばしていくケースではどうか?
【芯-34)のように、膝を曲げて「しゃがみ込む」のが、ベターということになる。
実質的には、頭を前に倒して、爪先に集中して体重を掛ける。
「右の股関節が後ろに下がる」のだから、左右の股関節・左右の膝、左右の足首を曲げて、爪先で立つようにすれば、腕は前方に伸びる。 ということになりそうです。
■ 実験結果からいうと・・・・
はっきり言えることは、棒を背中に挿すと、カラダ(背中)が捻れないということ。
棒を背中に挿すと、背筋が伸びる。
「カラダをねじらず、背筋を伸ばす」ということは、「カラダを固める」ということではなく、「カラダを柔らかくして、カラダに芯を作る」ということになりそうです。
では、棒を背中に挿さずに、「棒を背中に挿した時と、同じ筋肉の使い方をする」には、どこの何という筋肉を、どのように使えば良いのか??
人間のカラダには、いろんな筋肉があるけど、手の指先の筋肉から、足の指先の筋肉、首まわりの筋肉など、カラダ中のたくさんの筋肉が連携して、動いているはずです。
唯一、ほとんど、使ってないのが、「腰まわりの筋肉」なのかもしれません。
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《 「ふきん」でテーブルを拭く 》
日常生活において「腕を前に出す」動作には、
「布巾(ふきん)でテーブルを拭く」という動作があります。
大きなテーブルだと、かなり前方まで腕を伸ばし、ある程度の力を入れて、テーブルを拭かなければなりません。
この時、下手をすれば、腰を痛めてしまいます。
腰を痛めないときには、どうすれば良いでしょうか?
右手で拭くのが良い? 左手で拭くのがいい?
足は、右足を前にした方が良い? 左足を前にした方が良い
掌の親指側で拭くのが良い? 小指側で拭くのが良い?
</FONT></FONT>かなり、結果が違ってくると思います。
「なにげない普段の日常生活」において、いかにして腰の負担を減らすか? そういうのを考えるのも、面白いかもしれません。
ただし、くれぐれも、逆効果にならないように!
すべては、自己責任で!!!
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