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左の手首がパワーを生み出す ~肘と手首の関係 |
作成日:2011/06/11、最終改訂日:2011/08/27 |
§9-14:「フォアフット着地」 と「 ヒール着地」
最近、ランニング(Running)などで、話題になっているのが、「フォアフット走法」
「走るとき」の着地方法として、踵(ヒール)着地(Heel Strike) と、前足部(フォアフット)着地(Forefoot Strike)では、どちらが有利なのか? という議論がなされているようです。
まずは、「人間なら、誰でも知っている」であろう、「ヒール着地」。 踵着地(Heel Strike)
「踵から着地して、爪先へと体重を移して行く」方式。
ボディが、後ろから前に向かって進んでいくのであれば、足の裏へのウエイトも後ろから前、つまり踵から爪先へと変化していくのが、自然であろう! という考え方。
「ヒール着地」の走り方は、ごくごく自然な走り方だし、着地の際に、足を遠く(できる限り前方)に伸ばすことが出来るので、大きく進めるであろう。。。というメリットがあります。
ところが、これとは違う走り方が、存在します。
最近、注目されている??「フォアフット」着地です。
前足部着地(Forefoot Strike)。
着地する際、踵ではなく前足部、つまり、足の裏の「爪先に近い部分」で着地する走り方です。
あまり遠くに足を伸ばすことが出来ず、どちらかといえば、「ボディの下」に近い位置での着地になります。 そして、足の裏へのウエイトは、「爪先側から踵側へのウエイト移動」になります。
これだけを考えると、「ヒール着地」に比べて、圧倒的に効率が悪い走り方、誰もやらない走り方のように思えてくるのですが、実際に、こういう走り方が存在するということは、なんらかの「大きなメリット」が存在するのであろう・・・ということは、容易に想像できます。
−*−
さて、「ヒール着地」と「フォアフット着地」。
見かけ上の違いは、それほど大きくありません。
せいぜい、「着地の際の前足の足首の角度」と「後ろ足の足首の高さ」くらいでしか、見分けがつかないかもしれません。
でも、実際には大きな違いがあると思われます。 (あくまで推測ですが)
おそらく、「ヒール着地」で走っている人の走り方は、誰もが似たような走りかたなのかもしれません。
だけど、「フォアフット着地」で走ってる人は、人それぞれ、かなり走り方に個人差があるように思われます。
だから、「フォアフット着地は、一概にこういう走り方だ!」なんて、言えない。
また、着地時に、足を遠くに出したとき、瞬間的にヒールから着地していても、ヒールにウエイトが無く、即座に足の裏全体での着地なれば、「フォアフット着地」と同等の扱いをしてもいいはず。
じゃぁ、両者の根本的な違いは、何なのか? という話になってきます。
(着-61)のように、「ヒール着地」の基本は、「腰(こし)と骨盤を前に出すこと」だろうと思われます。
左腰を前に押し出した歩き方(着-62)と、似ているはずです。
足の裏を、踵から爪先に移動させ、膝を前に倒して行けば、腰(こし)と骨盤は前に出ていきます。 ボディ(上半身)を、少し前傾させて、腰の上に置いておけば、ボディ全体が、前に進んでいきます。
それに対し、(着-65)のような、「フォアフット着地」の基本は、どうなのか?
「膝と股関節を後ろに下げる」ことだろうと思われます。
膝と股関節が後ろに下がれば、足の裏のウエイトも「爪先→踵」になります。
左股関節を左手で押さえ込んだ、(着-66)と似ているはずです。
ここで、「胸・肩甲骨」と「腰・骨盤」が逆方向に動く・・・という動きが可能であれば、膝と股関節をめいっぱい後ろに下げる動作で、ボディを前方に進めて行くことができます。
「胸・肩甲骨」と「腰・骨盤」が逆方向に動かすための動作は、
・左腕で牛乳を飲むポーズ、通称「みるく・ごっく〜り」
・左手に買い物かごを持って、左手首を「ぶらんぶらん」にして歩いたときの動き
・左手首&右手首の右回転(ナイフとフォーク)
などと共通点があるように思えます。
これと同じ事をやれば、「フォアフット着地」になるんじゃないか....
−*−
日常生活における、「わかりやすい実験」があります。
普段の何気ない動作ですが、注意深く、確認してみてください。
(着-71)は、前足の爪先を持ち上げて、「ヒール着地」してから、爪先を押し下げる歩き方です。 前足の膝を前に倒しながら、後ろ足で、ボディを送り出していきます。
腰と骨盤、そして左右の股関節は、前(斜め上)に向かって進んで行きます。
(着-72)は、まったく逆の動きです。
上り坂に、爪先から拇指球あたりが軽く引っかけるようにして、「フォアフット着地」します。
そこから、踵で地面を踏みつけます。
下半身を使って、どんどん、斜め下に向かって、地面を押しつけるような感覚です。
股関節も、斜め下に向かって、後ろに下がっていきます。
ちなみに・・・
(着-71)の「ヒール着地」では、「股関節が足の上に乗せる」動きになります。
(着-72)の「フォアフット着地」では、「股関節は足の上に乗せないけど、肩甲骨が足の上に乗せる」動きになります。
どちらも、「足の上にカラダを乗せる」という点では共通ですが、「股関節を足の上に乗せる動き」か「股関節を足の上に乗せない動き」で、意味が大きく異なってきます。
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《 トレーニングの目的 》
「トレーニング」というものには、なんらかの目的があるはずです。
「坂道を上がるトレーニング」というのがあるとすれば、それにも目的があるはずです。
じゃぁ、その目的は、
「股関節を足の上に乗せる動き」を極めるため?
「股関節を足の上に乗せない動き」を極めるため?
「苦しければそれでいい? 単なる、精神修行!」
両者では、筋肉の使い方が異なります。
いずれにしても、何も考えずにトレーニングをやるよりも、目的を持ってトレーニングをやったほうが良さそうですね。
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