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左の手首がパワーを生み出す ~肘と手首の関係 |
作成日:2009/11/21、最終改訂日:2011/08/24 |
§9-06:左右で異なる「腰の動き」
人間が2本足で歩くときには、「左右の足を交互に前に出す」という動きが生じます。
(当たり前といえば当たり前ですね)
その際、腰も動きます。 左の腰が前に出たり、右の腰が前に出たりします。
じゃぁ、「出来るだけ大きな歩幅で歩こうとしたとき」には、どうするか??
・左足を前に出す時には、左足と一緒に、左の腰を前に出せばいい。
・右足を前に出す時には、右足を一緒に、右の腰を前に出せばいい。
単純に「頭の中」で考えれば、そうなりそうですが、実際の動きは全然違う!
カラダじゅうの力を抜いて、腕の力を抜いて、前後に足を開いて、そ〜っとカラダを前に動かしてみると、わかります。
誰かに背中(腰の高さ)を指で押してもらうか、自分の左手で背中を軽く押さえるかして、前に進んでいきます。 (腰-01)→(腰-03)の動きです。
「右足が前足」の時も、「左足が前足」の時も
・ 「つま先(拇指球よりも前側)」にウエイトを掛けると、
腰は「右」に回転する。/左の腰が前に出る/ヘソが右前を向く
・「土踏まず(拇指球よりも後ろ側)」にウエイトを掛けると
腰は「左」に回転する。/右の腰が前に出る/ヘソが左前を向く
と言う動きになります。
拇指球(親指の付け根の、固く飛び出たところ)よりも、前側(爪先側)か、後ろ側(土踏まず側)か、拇指球を境にして、前後どちらにウエイトを掛けるかで、腰の回転方向が変わってしまいます。
詳しい動き(足の裏と腰の関係)を、図にまとめると、こんな感じ。
この動き、一見不合理なように感じますけど、よく考えると、すごく合理的です。
(腰-06)のように、右腰が前に出るタイミングで、後ろから左腰を押し出してやれば、カラダは勢いよく前に出ます。
逆に、(腰-07)のように、左腰が前に出るタイミングで、前から股関節を押さえ込んでやれば、右腰が前に出て、カラダが勢いよく前に出ていきます。
(腰-06)(腰-07)のどちらの方法でも、「カラダの動きがパワーアップ」する上に「ヘソは正面を向く」ことになります。
人間がごくごく普通に歩くときには、左腰を手で押したり、左股関節を手で押し込んだりしなくても、無意識に、「手首の回転」や「肘の回転」が掛かることによって、(腰-06)(腰-07)と同じ動きになっているものと思われます。
−*−
じゃぁ、「手首の回転」とかの動きを一切やらずに、腰に力を入れずに、カラダを前に動かしていくと、腰はどういう動きをするのか、試してみましょう。
それでは、検証実際、開始!
● 左足を前、右足を後ろにして、左足(踵→爪先)に体重を乗せていく場合
左足の上にウエイトを掛けていく場合は、
ウエイトが左足の踵の上に来る(腰-52)までは、両方の腰が同時に前に出て(腰-51)おへそは進行方向を向いています。
ウエイトが左足の土踏まず(拇指球よりろ)あたり(腰-54)では、右の胸が前に出てくるので、それに引っ張られる形で、右腰が前に出て来ます(腰-53)。
ただし、これは「カラダ中の力を抜いた」時の動きです。
背中の筋肉(時に、肩甲骨付近)に力を入れたり、膝を曲げたりすれば、いろんな方向に腰を動かすことができます。
ウエイトが左足のつま先(拇指球より前)に来る(腰-56)では、左の股関節が、どんどん前に出ていきます。それにつられるように、左腰が前に出て行きます。
このとき、膝を曲げて、ボディを前に進ませようとすると、右腰が前に倒れて来て、左足の親指に強い力が掛かってしまいます。
●右足を前、左足を後ろにして、右足(踵→爪先)に体重を乗せていく場合
右足を前に出したときの動きは、非常に興味深いです。
静かに少しづつ、ボディを前に出して行くと、腰はどんどん右回転をしていきます。
ウエイトが右足の踵あたり(腰-62)あたりから、右の股関節がどんどん前に出ていきます。
右腰は、右股関節に引っ張られるようにして、前に出ていきます(腰-61)(腰-63)
この動きがピークになるのが、ウエイトが右足の土踏まず(拇指球よりも後ろ側)に来たあたり(腰-64)になります。 こしは左斜め方向を向きます。
右腰がどんどん前に出れば、ボディ全体が前に進みますんで、ウエイトは右の爪先(拇指球よりも前側)に移っていきます。 そうすると、こんどは左の腰が前に出て、腰が右回転を始めます(腰-65)
●実験結果からの考察
人間が歩く時には、左右の足を交互にウエイトを掛けていきます。
そのとき(踵から爪先への体重移動する、普通の歩き方)では
「左足土踏まず側」→「左足爪先側」→「右足土踏まず側」→「右足爪先側」
というウエイトの変化です。
そうすると、腰の動きのの変化は
右腰が前に出る → 左腰が前に出る → 右腰が前に出る → 左腰が前に出る
という、複雑な動きになってくるはずです。
これに、「手首の回転」などの動きが加わるために、ヘソが前を向いたまま、力を入れずに、無意識に歩くことができるのだと推測します。
おそらく
・左足を前に出す時には、左足と一緒に、左の腰を前に出せばいい。
・右足を前に出す時には、右足を一緒に、右の腰を前に出せばいい。
といった、「頭で考えるような単純な動き」よりも、有利だろうと思われます。
●余談ですが・・・
社交ダンスを含めたスポーツでは、「カラダの左回転」「カラダの右回転」を繰り返しますので、その際、回転方向に合わせて、「爪先側」にウエイトを掛けるか、「土踏まず側」にウエイトを掛けるか、そのあたりを工夫していけば良い・・・ということになりそうです。
特に、社交ダンスの女性は、高いヒールを履いているので、足が地面に着いている間は、母趾球(親指の付け根)が地面に着いています。 なので、「土踏まず+母趾球」にウエイトを掛けるか、「つま先+母趾球」にウエイトを掛けるかの差は、わずか数センチの差でしかありません。
男性は、低いヒールを履いているので、明確に「土踏まず側」「つま先側」を使い分けることが出来ます。 前進・後退の場合は、ヒールを浮かせるタイミングを早くするか、遅くするかによって、どちらかを選ぶことが出来ます。
このように、足の裏にウエイトを掛けるときの「さじ加減」一つで、腰を左に回転させるか、右に回転させるかを、コントロールすることが出来ます。
リードする側の男性が、女性の微妙なウエイトの変化を巧みに、コントロールできれば、女性の腰を巧みに動かすことが可能になります。 これがリードの極意かも。
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| 《 想定の範囲外!? 》
人間の足の裏は、左右対称にできています。
左の足も右の足も、土踏まずの部分が、へこんでます。
見た目は、左右対称(シンメトリー symmetry)に見えます。
だから、足の動きが左右対称なら、腰も動きも左右対称・・・誰でもそう思うわけです。
土踏まずのある左右対称な形の足が、まさか左右で違った動きをするとは・・・・想像しがたいですよね。
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