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左の手首がパワーを生み出す ~肘と手首の関係 |
作成日:2011/08/27、最終改訂日:2011/08/27 |
§9-11:「中心軸感覚(一軸感覚)」の謎を解く
二軸歩行(二軸感覚)系の動きを支持する人の書籍では、たいてい「中心軸(一軸)感覚」と「二軸感覚」との違いを説明している。
二軸感覚においては、「腰を使う二軸」と「腰を使わない二軸」では、根本的に違うのですが、そのあたり全く触れらずに「十把一絡げ」になってたりするのですが、「中心軸(一軸)感覚」の説明も、かなりいい加減だったりします。
「ダンス・テクニック革命/堀口史郎著」の説明を見てみましょう。
これは、紛れもなく、「腰を使う二軸歩行」の基本ですね。
(当みらくるダンス実験室では、これとは異なる「腰を使わない二軸歩行」を推奨しています。)
こっちは、比較対象にしている「中心軸(一軸)感覚」の説明。
根本的に間違ってます。
二軸感覚は、股関節と肩甲骨を使うことが出来るけど、中心軸感覚だと、股関節と肩甲骨を使えない?? はっきりいって、めちゃくちゃです。
この「背骨からカラダをねじる結果、女子は車のワイパーのような動きになる」という現象は、「両足の真ん中に立つ」ことを意識したときには、ほとんど起きない現象(トラブル)です。
日本の社交ダンスでは、相手が右側に居るので、男性が右足の上に立とうとする人が多いようです。多くのダンス教室でもそのように指導されています。
そして、女性とのコンタクトを取ろうとして、右腰を前方に押し出しだそうとします。
これは、「右足の上に立とうとしたとき」に、当然のごとく発生するトラブルなんです。
理由は、下記をみれば、一目瞭然です。
じゃぁ、なぜ、こんな、めちゃくちゃな説明が(日本の社交ダンス界では、トッププロレベルで)通用するのか、簡単な実験しながら謎を解いていきましょう。
−*−
まず、「背骨からカラダを(捻る)ねじる」とされる、「中心軸感覚」を作ってみましょう。
カラダを前に倒して、片足の踵を持ちあげて、片足の爪先で立ちます。
左右対称な姿勢で立てば、「背骨に中心軸が出来るか?」と言えば・・・出来ません。
「片足の爪先で立つ」という条件下で、両腕を肘にくっつけて立つと、「左右の肩甲骨」に軸が出来ます。(少なくとも、背骨には中心軸は発生しない)
実験してみましょう。 驚くべく、「まさか!」な結果になります。
背骨に中心軸が出来るのは、(謎-11)(謎-12)のパターンです。
これが「中心軸(一軸)感覚の正体」です。
つまり、右腕で右腰を押さえて、前に押し出そうとすると、背骨に中心軸が出来る。
左足で立ったとき(謎-11)でも、右足で立った時(謎-12)でも同じです。
試しに、左手で左腰を押さえたときの「爪先立ち」が(謎-15)(謎-16)になります。
左右どちらの足で立ったときも、「激しく不安定」な状態になり、まともに立っていられません。 右腰を押さえたときの「安定感」とは、雲泥の差があります。
つまり、一言でいえば、
背骨に中心軸(一軸)を作りたければ、右手で右腰を押し出せば良い!
「カラダに中心軸が出来ている」場合は、無意識に「右腰(右骨盤)が前に押し出されている」と考えてよさそうです。
−*−
それでは、カラダに旋回させてみmしょう。
では、右手を右腰に当てた状態(謎-31)(謎-41)で立ち、そこから、左右への回転動作(上半身を旋回させる)させます。 どうなるでしょうか?
まずは、右回転(右への旋回)
次に、左回転(左への旋回)
左回転も右回転も、どちらにカラダを回転(旋回)させたときも、背骨を軸として、カラダが回転します。 背骨とカラダは、足の真上に残ります。
あくまで、背骨を中心軸とした「カラダの回転動作」であり、カラダは前方に進みません。 (カラダを前に倒せば、倒れるようにして前に進みますが...)
カラダを回転させながら、前方(後方)に進めようとすれば、ほぼ間違いなくトラブります。
それに対して、左手で左腰を押したとき(腰を使う二軸)と、左手で左股関節を引き込んだとき(腰を使わない二軸)では、両方の背中が前に出て、カラダは前に進んでいきます。 言い方を変えれば、二軸感覚(腰を使う二軸、使わない二軸、ともに)は「カラダを前に進めたければ、回転動作を加えればよい」ということになります。
−*−
次に、「カラダを垂直に起こした時」の、「中心軸(一軸)感覚での前進動作」の実験です。
右手で右腰を押さえるだけで、中心軸が作れるのですから、簡単ですね。
まずは、右足が前の時
次に、左足が前の時
右手で右腰を押し出した時には、左右ともに、似たような動きになります。
まず、腰だけが「足の真上」に乗ろうとします。
カラダ全体が、そういう動きをします。
その後で、腰よりも遅れて、上半身が「足の真上」に乗ります。
そして、ウエイトが「爪先」に移ります。
本来、後ろに下がるべく「右の股関節」が、後ろに下がらず、「足とボディの間」の真上に位置するので、「爪先で地面を蹴る」ときのエネルギーは、カラダ全体に伝わります。
カラダ(上半身)を垂直に保った時には、腰が出て「不格好」な歩き方になりますが、適度にカラダを前に倒した場合は、「ちょうど良い塩梅の動き」になるはずです。
●実験結果からの考察
これは、非常に重要なことなのですが、
「背中(背骨)に中心軸が出来る」ということを、「左右の真ん中に立つ」ことだと認識してしまうと、その先にある、すべての基本的な動きを、見失ってしまいます。
「背中に中心軸が出来る」のは、「右の腰が後ろに下がらないように、右腰を押し込んだ時」です。 明らかな「左右非対称」ですが、人間のカラダは、これを「左右対称」だと感じるようです。
ちなみに、日本の社交ダンス(スタンダード種目)においては、「右の腰を押し出すこと」イコール「相手とのボディコンタクトを取ること」という認識が、非常に強いです。
老人会系ダンスから、アマチュア競技、中堅プロ、そして一部のトッププロに至るまで、この認識が徹底しているようです。
競技会の審査員が、「右腰を押し出して踊っているか?」を重要な審査基準としているためだと思われます。 だから、右腰を押し出して踊らない選手は、競技会で勝てない。 だから、みんなが「右腰を出した」踊り方になる。
こういうやり方って、ほんとうに、正しいのですか?
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| 《 中心軸(一軸)感覚は、面白い 》
「みらくるダンス実験室」では、「腰を使わない二軸感覚」というのをテーマに、いろんな実験を繰り返しています。
そうすると、普段から「背骨に中心軸を作らない」動きで、動こうとします。
ところが、そういうことをしていると、「肩甲骨を使わずに、中心軸だけで動く・・・ということが、いかに難しいことか!」という点に気がつきます。
中途半端な動きでは無く、本格的に「中心軸だけで動く」というのも、やってみると面白いですよ。
もしかして、「爪先歩きは、中心軸感覚(一軸感覚)に限る!?」
じゃぁ、バレエは、右腰を押し込んでる???
どんどん、発想が広まります。 カラダの知識が増えます!
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